今日は今から約140年前に起きた、明治維新について日本で働く外国人を対象に分かりやすく解説したいと思います。
今の日本は、低成長率、少子高齢化、30年間も賃金が横ばい、技術ではアメリカや韓国に追い抜かれる等、あまりいいニュースを聞きません。
上記の通り、平均賃金は2015年に韓国に抜かれます。
1980年を1.0とした場合の成長率ですが、日本は2.2ぐらいです。アメリカやカナダは7、韓国や中国はけた違いの成長です。
こうした事実だけを見ると日本を悲観的に見てしまいがちですが、140年前の明治維新ではわずか数十年の間にとんでもない勢いで日本が成長(近代化)した時代があります。今の平和ボケした日本からは想像もできないほどの様々な法律や国の制度が作られていた時代です。
明治維新
1868年(明治元年)、明治政府は近代化を急いでいました。そうしなければ日本は西洋の列強に飲み込まれてしまうという危機感を抱いていたからです。
香港、マレーシア、インドネシア、フィリピン、シンガポール、ビルマ(今のミャンマー)、ベトナムなど、ほとんどが西欧の植民地となっていました。
19世紀の後半は百年以上続いた西洋諸国によるアジア植民地争奪戦の時代で、しかも西洋内でも権益争いが激化していた時代です。
日本はそんな状況でもアジアで唯一独立を保っていましたね。
日本は凄まじい勢いで欧米列強を追いかけていた時代でもありました。それはまさに「世界の奇跡」ともいうべき感じでした。今の現代日本とは全く違う日本人の感情がそこにはあったのです。
日本は1600年ごろから続いた約270年間もの政治に終止符を打ちます。19世紀後半に日本で起こった近代化への一連の改革を「明治維新」と呼びます。日本で働く外国人の方はこの出来事を覚えておきましょう。
明治とは年号のことです。
日本の年号 |
それでは、明治維新で何をやったのか、1つ1つ解説していきます。
開国
まず、日本がやったのは開国です。日本は江戸時代約270年間もの間、鎖国をしていました。1853年にペリーが日本に来て、アメリカと条約を結び、「近代化とはこういうものだ!」的な考え方が急速に日本国内に広まっていきます。
旧態依然とした江戸幕府(旧政府)と、開国に意欲的だった明治政府(新政府)は戊辰戦争という戦いで、新政府が勝利したため、その後の日本では明治政府が政権を掌握します。
ここから、一気にすさまじい勢いとスピードで日本は近代化を行うことになるわけです!
東京の誕生!
政権を掌握した明治政府は、政治の拠点を京都から東京に移動しました。今の東京が日本の首都であるのは、この時代に決めたことだったんですね。
時代が変わったとは言え、270年近く続いた体制を変えることは簡単ではありませんでした。
旧勢力の力を排除し、明治政府がすべての政策決定を行う必要がありますので、明治政府はいろいろな策を考えます。
中央集権の誕生!
その一つに廃藩置県というものがあります。当社がある「埼玉県」は明治4年(1872年)に廃藩置県によって誕生しています。毎年11月14日が埼玉県民の日ですが、この日が廃藩置県によって、旧勢力である藩という地域から県に変更された日になります。
この改革によって今までの大名(その藩を統率していた各地の王様みたいな人)は役職を失ってしまいます。その代わりに、明治政府が派遣した府知事が全国の県を統括することになったのです。これが現在の府知事や県知事です。
この背景には、ちゃんとした理由があります。
日本がこれから列強の帝国主義から自国を防衛し、世界に進出したいと考えていたのです。そのためには、各藩ごとの政策ではなく、1つの中央に知恵を集め、中央政府の強いリーダーシップのもとに1つのチームとしてまとまる国民国家にする必要があると考えていたからです。
円の誕生!
旧態依然としていた藩の解体は経済分野にも及びます。
ちゃんとお金を作ったんです。今の円は明治時代に作られたということです。
国民国家の誕生!
公家を華族、武士を士族、農工商らの庶民を平民として異なる身分間での結婚や職業選択や移住の自由を与えました。これによって、力によって国を支配していた武士が排除されることになります。武士が中心とした軍隊から、国民が国を背背負って戦う近代的な軍隊に移行したのもこの時代です。
固定資産税の誕生!
旧政府の税金徴収は米でしたね。
米 → 土地 に対して税金を払うようにしたのも明治時代です。
まだまだあります。続きは次回の投稿で。
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