2022/04/22

Live Commerceを開発するときに参考したもの

ブログ投稿4日目

今日はosCommerceからLive Commerceの開発に至るきっかけについて書こうと思います。

受託開発時代にosCommerceでEC案件をこなし、個人としてはWordPressでブログを書いたり、WordPressのプラグインを開発したりしていました。2000年代はPHP全盛の時代でしたので、WordPressもまたPHP MySQLで書かれたウェブアプリでしたので、この当時にWEB系開発をやっていた方の多くはPHP MySQLは馴染みのあるスキルセットだと思います。

2000年代のWEBアプリは本当にPHP MySQLのアプリが多くリリースされていました。

WordPressは部分的な機能を追加できるプラグインという拡張可能な仕組みがあります。今も存在しています。WEBデザインはテーマという概念に基づき、テーマディレクトリにHTMLとCSSで記述されたテーマがあります。

WEBデザイナーはテーマを作成すれば自由にデザインができ、プログラマーはプラグインを開発すれば自由にコア本体を編集することなく、部分的な機能だけを簡単に追加することができるというのが当時の設計でした。公式サイトを見る限りだと、この仕様は今も同じっぽいです。

このプラグインとテーマという概念がLive Commerceを開発するときに参考にさせていただき、採用しています。Live Commerceはコア本体、テーマ、プラグインという概念に基づき開発したということです。

私はLive Commerceのプラグインの概念に決済専用のプラグイン、配送専用のプラグイン、手数料専用のプラグイン、それ以外のプラグインという4つの種類を設計し、それぞれのプラグインを完全独立して管理・アップデートができる仕組みを設計しました。

この仕組みは今でも十分機能しており、例えばPayPal側がシステム仕様上のなんらかのアップデートがあれば、PayPalの決済プラグインだけをメンテナンスすればよい、ということです。

同じくFedexやDHLの配送プラグインにも仕様変更があれば、最小単位のファイルの変更だけでECサイトのメンテナンスが行えています。

プラグインという概念はWordPressから学び、プラグインの種類を4つに分類したのは、osCommerceから学びました。そしてこの概念をLive Commerceに統合しています。

ちなみに、プラグインには管理画面を設計できる機能、ユーザー画面を設計できる機能があるので、Limderのように完全独立したWEBアプリをLive Commerce内に作ることも可能です。

当社はコアだけの最小ファイルだけをメンテナンスすれば、外部のエンジニアでもLive Commerceを拡張することができるというのが特徴です。

WordPressを提供する米automatic社が提供するECサイトプラグインとして人気のあるwoocommerce もWordPressのプラグインだったりしますよね。

私はよくautomatic社のビジネスモデルを参考にしていたのですが、2000年代はWEBアプリを無償で提供し、一部の有料ユーザーから収益を構築するフリーミアムというビジネスモデルが流行しました。このビジネスモデルは今でも多くのWEBサービスで提供されていますが、その中でもautomatic社は大成功の企業だと思っています。

WordPressを人気のあるWEBブログとしての地位を世界的に確立させ、圧倒的なユーザーをまずは集めるわけです。そこからユーザーにとって便利な機能を基本は無償としつつも、付加価値の高い機能だけをプラグインで提供したり、コンサルとして提供したりと、本当に理想的なビジネスモデルですよね。

しかも、この会社ってコロナが始まるずっと前からリモートワークを基本としていて、世界中に開発者がいて、うまく機能しているっていうのが驚きです。WordPressという人気もさることながら、働き方についてもすごいですよね。

今日はここまで。

また明日。

2022/04/21

受託開発で学んだこと

  ブログ投稿3日目

2日目の受託開発のことを書いていたら、やっぱりいろいろ思い出すことがあり、これは当社の社員にも役立ちそうなこともありそうかなと思えてきたので、もうちょっと書いてみようと思います。

2005年~2009年ぐらいは、受託開発をめっちゃやっていました。私が営業、打ち合わせ、契約書作成、それからスケジュール管理など、しかもシステム開発もやっていたので、とにかく猛烈に忙しかったです。

案件のプロジェクトマネージャーも兼務していました。社員は開発とバグ取り、私が全体の方向性を決めて、スケジュール管理する感じです。

当時使っていたプロジェクト管理ツールはMicrosoftのProjectというソフトで、さっき調べたらまだありますね。

今はオンラインでクラウド化されているので共有も簡単になっていますね。

当時は、エクセルで管理していたのですが、タスクの見積もり時間を1つ変えると、全体に反映しないので、いろいろ探した結果、Projectになった感じです。自分のPCにインストールして、全部のタスクを書き出す感じです。


タスクの時間を修正したりすると、自動的に人月とか後工程の工数時間が自動的に延長されて、納期も自動計算される、超便利でした。ちなみに、公式サイト見る限りだと、今もそんなに変わってないような感じがしますね。

このガントチャートを顧客と共有して、見積金額の根拠にしたり、このシートをメールで共有しながら受託開発していた感じです。

受託開発で学んだこと

創業時から考えると、受託開発は合計で6年ぐらいがっつりやっていたわけですが、そこから学んだことをいくつかまとめてみたいと思います。

受託開発は納品事故率が高い

受託開発は、そもそも論として定格化されたパッケージソフトを納品するわけではなく、顧客要件に合わせて納品するので、「これが完成品」という物理的にも視覚的にもわかる基準がありません。非常にあいまです。

ですので、納品時に納品を受領するか否かは、相手の納得度で決まると今でも信じています。

よく、要件定義を書き、契約書を巻き、納品ゴールを明確にしておくべき、なんて本にも書いてあるし、大学教授とかコンサルタントとかも言っていますが、そんなきれいごとでスムーズに納品できたら超ラッキーでしょうね。

大企業のサラリーマン担当者なら、要件定義と契約書だけあれば、自分事ではないので、ある程度スムーズに進みますが、中小企業の社長相手となると、契約書と要件定義書はあくまでも儀式的なもの。こんな契約書数枚でプロジェクト納品時に意見ひとつ言わずに納品するなんてありえません。

中小企業というのは、自社サイトのシステム開発は経営の運命をかけた一大プロジェクトなんです。「契約書に書いてあるから」「要件定義書に書いてあるから」こんな理由で相手が納得してもらえたら、それはまことに良い顧客ですな。

私が納品間際というか、顧客との電話でよく話していたのは、

システムの受託開発は物理的な完成品ではないですよ。「ハサミ」や「のこぎり」のように、納品したら、それ以上加工できない場合は、納品そのものが最終ゴールになる。しかし、ソフトウェアは、納品といっても、次の日に簡単にソースコードの改変ができるし、見た目だって、簡単に変更可能なんです。

なので、社長さん、ソフトウェアの納品は、あくまでも山登りの△合目と同じ考え。あなたの理想とするソフトウェア、使い勝手を実現するなら、ここからじっくりとやっていきましょう。

って話していました。結論からいえば、全然納得しないので、だから裁判沙汰にも結構なったし、不条理な顧客がまあ多いことって感じました。

人間の本能ってやつが、もろにぶつかった瞬間を感じました。理屈ではわかっても、納得感とかお得感がないと絶対に納品を認めないっていう人間の本能なんでしょうかね。

2013年に発売された本ですが、なぜシステム開発は必ずモメるのか?49のトラブルから学ぶプロジェクト管理術 を後々読んだのですが、まあ、同じ業界にいた人なので、大体言っていることは同じかなと。

結局、要件定義とか、ほんと意味ないと今でも思う。無駄までとは言わないが、ソフトウェアは物理的・視覚的に検証可能な工業製品とは100%違うわけですよ。ソフトウェアは生き物のであり、管理・保守があって初めてお互いにWin-Winの関係になれると思っています。

当時は、自社ECサイトを持つ中小企業が爆発的に増えたこともあり、こうしたソフトウェア開発に関する基本的なリテラシーが開発側も発注側も貧困だったのもこうした納品事故になった1つの原因だったんでしょう。

今も当社では受託開発案件がありますが、完成を作って終わり、、というのはもうないですね。必ずプロジェクトを支えるチーム、企業の目指す中期的なゴールを共有し、そこに向かってプロジェクトを推進する形になっています。

受託開発の要件定義をする人と仕事をしないこと

今でいうと、50代以上の人って、ソフトウェアをクラウドで利用するケースと、パッケージソフトウェアの買い取り or それをカスタマイズした受託開発でプロジェクトを推進する人が結構いると思います。時代的にそういう仕事の進め方だったからでしょう。

カスタマイズっていうのは、先ほども書きましたが、納品の定義は超あいまいになります。要件定義しても、あとからころころ変わるし、作る側も要件定義は最終的に動くものを頭の中で空想しながら作るしかないので、お互いに契約時にかなりの労力を消耗します。

一番良いのは、完成品のイメージに近いものをプロトタイプとして作ってしまうことです。ソフトウェアはやっぱりブラウザなどで動く状態で初めてアイディアや意見、不足している要件がわかってくるので、プロトタイプは絶対に必要です。

20代の時に大学の公開講座の検索システムを開発したのですが、その時は打ち合わせの後すぐに(たしか1週間程度で)自分でプロトタイプを開発して、関係者に見せました。検索結果をGoogle Mapと連携させ、一括見積、一括資料請求ができるシステムです。今でいう不動産検索のSUUMOに近いシステムを15年ぐらい前に自分で開発していました。

ちなみに、この時に開発したスキルセットしては、PHP MySQL Ajax HTML+CSSで、当時はBootstrapがなかったので、インターフェースを開発するときはインプレッシブの藤田社長によくお願いしていました。私がプロジェクトと案件を調達し、藤田社長がUIをデザインするみたいな感じで、当時自社ECサイトを作りまくっていましたね。

DROPBOXを探したら出てきたのですが、当時制作してもらっていたWEBデザインというのは、こんな感じです。


あ、ちゃんと多言語サイトになっていますね。osCommerceで開発してましたので。



お話を戻します。

その完成度の高さと開発スピードに発注者から圧倒され、デジタルスタジオはその発注者から当時出資(数千万)を頂いたという過去があります。社員さんならお分かりですよね?

今でも株主にもなっていますが、その出資者は今でも良好な関係を維持しています。

お金は、求めても来ない。お金はエネルギーのある源流に向かっていくものだと学びました。


ちょっと話がそれましたが、受託開発の話はこのあたりで終わり。

また明日。

2022/04/20

もう、受託開発をやらないと決めた瞬間(大人もいじめにあう)

 ブログ投稿2日目

今日は、受託開発をやっていた時のことを書こうと思います。

25歳で起業して、Live Commerceをリリースするまでの間(2003年~2009年ごろまで)は、受託開発をやっていました。

osCommerceとかZenCartのカスタマイズが中心で、PHP+MySQLで構築されたWEBアプリってやつです。当時は、日本でもまだECカートシステム黎明期で、ネットショップをやるってことになったら、今でもありますけど月数千円のカートをレンタルするか、オープンソースをダウンロードして自前のサーバにインストールするかのどちらかだったような気がします。


そもそもなんでosCommerceやZenCartにたどり着いたかって話ですが、創業時は当然お金がないので、仕事を選ばずに何でも受託していました。25歳の時に自分でホームーページを作って、ECサイトからプログラムまで何でも受けます!的な感じです。

創業から3社目か4社目の時だったと記憶しています。関西のアダルトビデオ・DVDを販売する小売店で、商品数が10万件以上あり、出演者、メーカー、カテゴリ、ジャンルという4つのキーから検索可能にするECシステムが欲しい、、とオファーがあり、当時WEBデザインとかも含めて50万ぐらいで受託したと思います。

この案件を完遂するために必死に探したのが海外で知名度があり、それなりに大規模なサイトを構築することも可能だったのがosCommerceでした。ということで、ここからosCommerceをハックし、このソリューションで何ができるのかを学習していきました。

2003年当時では本当に珍しかったのですが、osCommerceは多言語・多通貨対応になっており、決済システムも多通貨に対応したPayPalでした。当時開発していた経験がのちのLive Commerceの開発に影響しています。

osCommerceは多言語・多通貨決済ということもあって、住所書式が国別になっていたり、国と都市名がデータベースで管理されていたりと、日本のEコマース市場にはなかった斬新的な機能がたくさんありました。

また、オープンソースということもあり、世界中の開発者によってSEO対策に関する機能や、ギフト機能、検索サジェスト機能など、いまでは当たり前の機能がPHPとMySQLによってフレームワークを介さずにスクラッチで皆さん書いていたのを覚えています。(今はLarabelとか〇〇フレームワークとかに代替えされました言われていますよね)


当時、独身だったこともあり、1日14時間ぐらいは働いていたと思います。(彼女もいなかったので、土曜日も働き、日曜だけカフェでボーっとするみたいな生活)

オフィスを借りる前、親父の知り合いのマンションの管理人室(最大2名ぐらい)で半年ぐらい仕事をしていました。自宅から10分ぐらいのところです。

この半年間で500万ぐらいの資金をためたと記憶しています。

で、その資金をもとに近所の小さなオフィス(30平米)ぐらいのところをまた1年ぐらいぐらい借りて、創業から1年もすると1500万ぐらいまで資金を貯めることができました。

この資金で現在の大宮のオフィスを借り、リフォームなどをして入居したのが2006年ぐらいです。

もう、受託開発をやらないと決めた瞬間(いじめにあった)

今でもはっきり記憶していますが、27歳ぐらいの時だったと思います。
紹介してもらった新規案件で、納品時にその顧客からぼろくそ言われました。

もう、10年以上も前の話ですが、受託金額は200万ぐらいったのですが、納品間際になって文句を言われ、これでは使い物にならないとか、いろいろ難癖をつけられて(でもすでに顧客のサーバには納品していて、実働はしているがバグは確かにあった)、半額にしろとか、、、で最終的には25万円でジャッジしました。

今思うと、若さゆえに、そこに付け込んできて値引きされたのかなと。

その時の社員は顧客の修正や要望に振り回され、この案件の後に退職しました。

私自身の会社に資本力もなければ知名度もビジネス上のトラブルシューティングの経験もなかったので、結局は顧客の言いなりで事を収めるということぐらいしかできなかったのかと思います。

紹介案件だったので、紹介者に謝罪しに行き、確か帰りの駅から降りて自宅まで帰るときに、悔しくさと怒りで、、って感じの心情だったかな。

この怒りのエネルギーが、自社製品を作るエネルギーのモチベーションになっています。

ちなみに、その顧客はすでに倒産しており、私の会社は今でも元気に成長しています。

起業や製品を作るエネルギーって何だろう?

人それぞれだと思いますが、何かを作る、何かを生み出す っていうのはものすごいエネルギーがいると思うのです。

エネルギーといっても、「誰かのために」っていう正義的なエネルギーよりも、私は負のエネルギーの方がモチベーションとしては長く続くと思っています。例えば、あいつだけには何としても負けたくないとか、あの顧客にぎゃふんといわせてやろうとか、、ですね。

今日はこのあたりで終わり。

また明日。

2022/04/19

今日から、30日間連続でブログを書いてみようと思う

 ブログって、20代のころから結構書いていたんですが、40代となった今、1年に1回とかの投稿になってしまいました。

時代は、SNSに投稿する人の方が多いですが、私の性格からして、何かもの書きをしようと思うと、やっぱりブログの方が好きです。ちなみに、TiwitterとFacebookはやっていますが、投稿はほとんどしていません。

で、自分で一度やってみたかったのは、毎日ブログを書き続けることをやってみようかなと思います。

ネタは、仕事とプライベートが中心です。

とにかく、30日間続けることが大事だと思っていますので、今日から頑張ります。

書くからには、通りすがりの人にもなんらかの役に立つ記事を心がけたいと思うので、自分の頭の中にある知識や経験をアウトプットしようと思います。

簡単な経歴

まずは、簡単な自己紹介から。

高校 → 大学 → 3年間のサラリーマン(営業職) 

ここまでは至って普通です。本当にどこにでもいる感じの人でした。
中学から高校までは水泳部で平泳ぎが専門でした。文系で国語と英語が好きです。

サリーマンを辞めてからは

25歳起業 → WEB系の専門学校 → 受託開発でスキルを磨く → 30歳結婚

こんな感じです。起業してから、WEB系の学校にいってAdobeのソフトを学んだり、HTML、PHP、MySQL、Javascript、CSSなど、今でも活躍している代表的な技術を1年間学びました。専門学校って、特定の業界の技術だけを徹底して学習することができるので、この1年間で学んだことは、20年近く経過した今でも十分通用しています。当時は2003年ぐらいで、専門学校って言ってもデジタルハリウッドとヒューマンアカデミーぐらいしかなかった記憶があります。私は埼玉から東京渋谷のデジタルハリウッドまで通っていました。今はデジタルハリウッドって株式会社大学にもなって、大学院までできたんですね。

31歳の時に、結婚して子供ができました。

会社経営6年目(社員20名ぐらい) → 乱暴な経営で社員が全員離脱 → 31歳うつ状態

会社設立から6年目ぐらいで20名ぐらいの社員がいたのですが、実態は経営者ではなく、プログラムをひたすら書き続ける職人のような働き方をしていました。経営的な事は全くわからずに、人を怒鳴りつけたり、自分勝手に経営していたやり方に災いが転じ、社員が全員離脱、広いオフィスに社長1人という、想像もしていないような結果になりました。

どんな経営だったかというと、自社製品を持っていないかったので、市場トレンドに合わせて、サービスを提供しているような感じです。

トレンドが変わるたびに、サービス内容もちょこちょこ変わるので、社員から見た社長のイメージは、「この人何がやりたいんだろう、、きっと個人で成金にでもなりたいんじゃないか。」こんな感じで映っていたのだと思います。

未来に投資せずに、社員旅行とかで100万、200万単位で使っていました。

接待も1回10万単位の経営費を月に何度も使っていました。

ポルシェを買って、社員に自慢とかしていました。(←今思えば、本当にバカです)

社員離脱後、あまりのショックで数か月間、家に引きこもっていました。電話に出るのも嫌になり、受電サービスもやってくれるサーブコープを使っていました。

ただ、サーブコープって受電だけでもそれなりに使うと、月に5万とかいくので、そのタイミングで受電サービスを辞め、オフィスに行くようにしました。(でも一人)

31歳 Live Commerceリリース → 経営を本格的に学ぶ → 34歳 大学院でイノベーションを研究

31歳ぐらいの時に、当社の主力商品であるLive Commerceをリリースしています。幸いにも会社にお金はあったので、サーバを借りたり、エンジニアを外注したり、そういった開発を続けることはなんとかできていたので、自分の頭の中にあった構想を何とか形にしたいと思い、市場に自社製品としてリリースしました。

それまでの受託開発とはここでバイバイ。

Live Commerceをリリース後は、二度と以前のような会社破綻にならないように、経営に関する本やセミナー、哲学書などを読み漁り。とにかく勉強しました。

34歳の時に、大学院でイノベーションに関する研究をしました。MOTっていうコースで、MBAに近い内容です。大学院でマーケティングの仕組みや製品のライフサイクル・栄枯盛衰に関する研究もしました。


続きは明日。

2022/04/18

Amazon Personalizeを実装・検証してみた

 Discovery Japan Mall にAWSが提供している Amazon Personalize を実装しました。Amazon Personalizedとは、ネット通販で同じみのAmazonが提供するおすすめ商品のことです。

大手ECサイトでもAWSによるパーソナリゼーションの導入が進んでいますが、当社でも初めて実装を試みました。

Amazonは閲覧した商品や購入履歴から、ユーザー個別におすすめ商品が表示されますよね。その機能を一般に公開されているため、私たちが運営する自社サイトでもAmazonと同じ機能が利用できるわけです。さっそく利用をしてみました。

公式サイトで、機能の概要は以下の通り記載されています。

Amazon Personalize を使用すると、デベロッパーは、Amazon.com がリアルタイムのパーソナライズされたレコメンデーションに使用するのと同じ機械学習 (ML) テクノロジーを使用してアプリケーションを構築できます。ML の専門知識は必要ありません。

Amazon Personalize を使用すると、デベロッパーは、特定の製品のレコメンデーション、パーソナライズされた製品の再ランク付け、カスタマイズされたダイレクトマーケティングなど、さまざまなパーソナライズされたエクスペリエンスを提供できるアプリケーションを簡単に構築できます。Amazon Personalize は、厳密な静的ルールに基づくレコメンデーションシステムを超え、カスタム機械学習モデルをトレーニング、調整、およびデプロイして、小売、メディア、エンターテインメントなどの業界全体のお客様に高度にカスタマイズされたレコメンデーションを提供する、フルマネージド型の機械学習サービスです。

Amazon Personalize は、必要なインフラストラクチャをプロビジョニングし、データの処理、特徴の識別、最適なアルゴリズムの使用、ならびにモデルのトレーニング、最適化、およびホスティングなど、ML パイプライン全体を管理します。お客様は、Application Programming Interface (API) を介して結果を受け取り、使用した分だけ支払います。最低料金や前払い料金はありません。すべてのデータは暗号化されて安全に保護され、ユーザーへのレコメンデーションを作成するためにのみ使用されます。

ということで、実装が先日終わったので、検証しました。

私の直観ですと、100点中65点ぐらいの感じです。
過去に腕時計を購入し、腕時計を中心に閲覧したけども、レコメンド商品は全く関係ないフィギュアが表示されたりしています。全部がこうなるわけではないのですが、何度かに1度は自分があまり興味がない商品が表示されます。全く使えない、、というわけではなく、まだ実装して1ヶ月でログデータも少ないため、もう少し検証が必要かもしれません。

Discovery Japan Mallに実装


AWS Amazon Personalizeですが、基本的にLive Commerceの利用者であれば実装はできます。プラグイン化していない為、まだ実装に時間はかかりますが、実装の流れは以下のような感じになります。

  1. ウェブサイト全体のアクセスログをJavacriptにより収集し、テキスト形式で保存する。
    このログには、ユーザー識別情報、アクセスしたURL、国、IPアドレス、性別などが含まれます。これを data set と呼びます。

  2. 保存したアクセスログを、Amazon Personalizeで利用可能な形に加工する。
    アクセスログだけでは利用できない為、データを加工します。

  3. AWS マネージメントコンソールにログインして、 Amazon Personalizeのレコメンドの各種パラメータをチューニングします。
    このチューニングで劇的にレコメンド内容が変わることはありませんが、チューニングを行うことで、パーソナライズドされた時の精度を上げることができる感じです。


Google Analytics で商品ページに設置した時の反応を検証した結果、Amazon Personalize よりも、皮肉にもルールべースで開発した関連商品の方が良い反応が出ていました。

もう少し精度アップをのために、データログの量・質をよくすることで、レコメンドされる結果もよくなることを期待したいです。

ちなみに、同じくGoogle Cloud Platform にある Recommendations AIも同時に開発を進めています。こちらもAWSと比較してどのような結果が出るのか、楽しみです。



2022/04/16

SHOPPE と Lazada が無理ゲ~だと思う理由

 私は2009年からLive Commerceという名のものに越境ECというビジネスソリューションを自社プロダクトとして10年以上提供してきたいのですが、現在は以前ほどの勢いで Live Commerceの普及をしているか?といえば、普及に必要な活動はもちろん行っていますが、以前ほどの露出(セミナーなどを行う等)はしていません。

これには、Discovery Japan Mallのマーケティング活動をした結果による理由がすごく大きいと思います。

例えば、先日、アジアで人気のSHOPEEというプラットフォームが行った越境ECに関するアンケートがありました。結果はこんな感じ。


海外販路拡大に興味がある人が約9割ほどいますが、9割のビジネスパーソンの内、実際に越境ECとうビジネスモデルで成功できる(利益を得て譲渡可能なレベル)確率は1%ぐらい、、、というのが私の感覚です。

まあ、ビジネスの成功を何で測るかにもよりますが、越境ECは、そもそも論として「合法的に輸出できる商品である」というのが前提です。

合法的と書いたのは、越境ECで月間数千件もの物量を1つ1つ見ていくと、国や地域によっては通関できないものが結構あることがわかったからです。

越境ECを普及していた時(Live Commerceのソリューションを推進していた)は、こういった内情は全く知りませんでした。

私はLive Commerceというビジネスを始めた当初は、ビジネスソリューションの普及に躍起になっていましたが、現実ビジネスの世界でモノの行き来を世界各国の通関という視点から見ていると、越境ECが今後必要なソリューションであるというのには賛成ですが、通関で止まる現実を知った今日では、批判的な目で市場のニュース記事などを見るようになりました。

その経験もあってか、越境ECで成功するには、商材、通関できるか、市場性など複雑な要素が絡み合います。

これらのすべてをクリアして、しかも販路先の国で競合よりも製品の質以上に価格的な魅力がどれほどあるかどうか、、、こういうことを1つ1つ深く考えていくと、越境ECってメーカーど真ん中のソリューションだったりします。なので、SHOPEEとかが結果で出しているようなものは、あくまでも市場のトレンドであって、実態のビジネスはめっちゃかけ離れていると思います。


通関に関しては、特に、化粧品や食品や酒は通関でよく引っ掛かります。文房具なども通関で止まることもあります。(文具を作っている素材にEUやUSでは毒性と判断される)

また、通関に時間がかかりすぎるとお客さんからキャンセルの依頼が来てしまい、一度キャンセルの気持ちになってしまうと、その商品を返送する送料と、通関にかかった手数料は売り手持ちという自爆もあります。

これは、ビジネスの全体の一部分を説明したものですが、それでも越境ECが成長のマーケットであることは事実です。

ちなみに、SHOPPEやLAZADAが東南アジア市場で席巻しているECプラットフォームになっていますが、各国のモールで売っている商品やベストセラー商品をよく観察すれば、ほとんどの日本企業が事業レベルとして越境ECを成長(成功)させるとこが無理ということがわかるはずです。


メインの商材と価格帯をよく観察してみてください。

事業として参画するとなると、それなりの投資が必要になりますが、価格帯を見る限り投資に見合ったリターンを得るには、法人としての事業ではなく、個人としての事業でないと無理ゲ~であると理解しているのは私だけでしょうか。(だから、eBayとかSHOPEEってのは、個人セラーの集団になっている)


とはいいつつも、当社もLimder経由でLazadaには出店していますが、eBayとAmazonの方が100倍以上の差をつけて売り上げには貢献しています。

でも、東南アジアは未来があることは間違いないんですけどね。ビジネスでってなると、なんとも難しいです。


2021/05/25

2030年、Live Commerce が目指す新しい越境ECのカタチ

デジタルスタジオは6月1日が期初で、第18期目の始まりになります。

私が今から約11年前(2010年当時)に開発したLive Commerceのスローガンであった、多言語・多通貨Eコマースという役割は

1)日本のネットショッピングを楽しくする、進化させること。
⇒新しく生まれた技術やアイディアをできる限り早い段階で企画してショッピングカートに実装し、オープンソースで配布する。
これによりLive Commerceにかかわる全てのユーザー(商品の消費者、商品の生産者、サイトの運営者)を幸せにする。

2)進化し続けるECサイト構築プラットホームにすること。
⇒自動アップグレード機能によって、最強で最新のEコマースを誰でも利用できるようにする。

3)メジャーなあらゆるデバイスからアクセスできるようにする。
⇒インターネットにつながったあらゆる端末からLive Commerceを通じてネットショッピングできるようにする。具体的には携帯電話、iPhoneなど。

4)あらゆる言語/地域でネットショピングできるようにする。
⇒4言語でスタートしたLive Commerceをあらゆる地域と言語で使えるようにシステムのローカライズに投資をする。
インターネットのメリットを最大限活用する。

5)パートナーを大切にする
⇒Live Commerce単体ではECサイトのプラットフォームに過ぎず、機能不十分と考えており、外部のEC系サードパーティー製品との統合によって、今までにない新しい市場を作り出し、パートナーと共に未来をを創造する。