2022年6月13日月曜日

2022年 越境ECに再び注目が集まる Z世代とパーソナライズとは?

 今回のブログは、越境ECというビジネスモデルが再び話題になっている背景について説明します。

当社の問い合わせ件数が越境ECが再び注目をされるようになってきています。この背景にあるのは、人口減少Z世代が大きく影響しています。特にZ世代が消費の中心にシフトし始めていることが、越境EC=国を超えて他国から商品を買うことに抵抗なく、それが常識であるかのような感覚になってきている点です。

細かく見てきましょう。

1、人口減少と越境EC


日本は出生率の関係上、人口が確実に減ることがわかっています。
100%人口は減ります。どうやっても急に人口が増えることはありません。100%人口が減りますので、消費の中心世代である20代から40代の人口も減ります。

人口が減りますので、市場の顧客数減ります。
企業は相手の顧客を奪う、シェア争いの時代に今後はなっていきます。
例えば、携帯電話のシェアは、すでに奪い合いになっています。


これが、今後あなたの業界にも間違いなく起こります。
自社の業界に全く異なる大企業が入ってくるかもしれません。

なぜなら、大企業は人口減という市場環境の中でも常に成長の機会を探っているからです。
結果的に、未開拓の市場に競合として突如参入してくる可能性があります。

ニトリの買収も背景にあるのは人口減

事例としては、ニトリです。
「お、ねだん以上。」というキャッチフレーズで、低価格で質の高い家具や日用品を展開して急成長してきたニトリですが、国内の市場は人口減少で成長に限界が見えています。



一方で、住生活全般を扱うホームセンターはニトリにとって業種としても親和性が高く、参入しやすい分野。ニトリとしては、家具から園芸品まで幅広い商品を扱う島忠を取り込むことで、今後の成長につながると判断しています。

コクヨがぺんてるを買収しようとした理由も、海外での「ぺんてる」ブランドの知名度の高さ



コクヨは年間の連結の売上高が3000億円を超える文房具業界のトップ企業。しかし、少し先の将来を見越すと安心してはいられない立場なんです。国内市場は人口減少に伴い、縮小するリスクに直面しています。また、海外で勝負したいとは思っているのですがコクヨは海外市場はまだまだ未開拓。海外売上高は全体のおよそ7%なんです。

一方のぺんてるは実は海外での知名度抜群。海外売上高の比率は65%余りもあるんです。コクヨはキャンパスノートで有名ですが、筆記具の主力商品を持っていないので筆記具に強いぺんてるは、とても魅力的に輝いて見えたんですね。

人口減少は、他社の市場に侵入して売上を作るか、今の市場で競争相手のシェアをとるしか方法がありません。

それよりも、なにもビジネスモデルを変えず、自社が最も強い市場で、競争相手が先に手を出す前に、海外の市場で顧客をとってしまった方が、手っ取り早いと考える経営者・起業家の思考が越境ECや、すでに海外で成功している企業のM&Aということになるわけです。

越境ECについて、Z世代の消費者と強い関係が出てきます。
次は、Z世代についてみてきましょう。

2、Z世代と越境EC

前回のブログでも紹介したZ世代ですが、2032年を超えると、2012年生まれのZ世代は20歳となり、消費の中心的ユーザーになります。あと10年後です。

彼等にとって1990年代は過去のもので、テレビ番組はネットフリックスで一気見する。ソーシャルメディアのことはニュース、セフルブランディング、エンターテイメント、コミュニティ、恋愛のリソースと捉えています。

YouTubeでお気に入りのユーチューバーのオススメやインスタグラムで服のトレンドをチェックし、暇なときはアマゾンプライムの動画を視聴したり、お金の使い方は、自分の友達が影響を受けるSNSが起点となっています。

下のグラフは米国におけるZ世代の人口比率ですが、あと10年で今のミレニアム世代からZ世代に消費の中心が移動することが分かりきっています。

Statistic: Resident population in the United States in 2020, by generation (in millions) | Statista
Find more statistics at Statista

そして、Z世代で最も多く利用されているものの1つが、越境ECです。
特に、アパレル分野では高い成長があります。

Reduced Access To Stores Boosts Cross-Border E-Commerce; Millennials, Gen Z Fuel Activity

世界の買い物客の4分の1は、国内市場以外で衣類をオンラインで購入し、靴は19%、高級品は18%、スキンケアは17%、健康と美容は17%、香水は16%、化粧品は16%が、最も人気のある海外Eコマースの購入品目として挙げられた。ミレニアル世代とZ世代の買い物客がリードし、57歳から75歳のベビーブーマー世代の3倍の割合で国境を越えた買い物をした。

2020年を通して顕著だった越境ECの増加は、2021年も続いていますが、前年比の伸びはより緩やかになっています。越境ECの人気カテゴリー上位5つのうち、ラグジュアリーは過去6カ月間で最も速く成長し、2020年末比で6%増、次いでスキンケアとフレグランスがそれぞれ同期間で4%増となっています。

このように、主に若い買い物客が牽引する越境ラグジュアリー購入の増加は、パンデミックによる新たな国際的購買行動によって促進された可能性があることが、ESWのデータから明らかになっています。

3、Z世代とパーソナライズ

Z世代が使うエンタメ系アプリの特徴として以下のスマホアプリがあります。

  • YouTube
  • TikTok
  • Amazon
  • Snapchat
これらに共通していることは、個々人の興味関心に合わせた完全なパーソナライズアプリであることです。

YouTubeは1つの検索から関連動画がレコメンされます。
TikTokは検索すら不要で、次々にレコメンドされます。

パーソナライズされていないアプリやWEBサイトは、彼らにとって常識外と判断されます。パーソナライズされていないWEBサイトやECサイトは使ってもらえません。

コンテンツを大量消費しているZ世代にとって、大量の情報の中から自分たちが本当に求めているコンテンツを見つけ出すことは至難の業なわけです。

パーソナライズされたコンテンツの作成が越境ECのコア機能になる

越境ECといっても、数年前は海外にモノを売る ということだけが注目を集めていました。
2022年はさらに進化していて、越境ECの機能にパーソナライズドされたコンテンツを掲載する仕組みが必須になってきています。




パーソナライズとは、言い換えれば、個人情報を収集して、それをコンピュータに機械学習させて個人個人にレコメンドする仕組みです。

2022年以降、越境ECとは、海外にモノを売るという従来の定義から、Z世代を対象にパーソナライズされた越境ECサイトで商品をかってもらうという時代に入ったと思います。

ちなみに、当社が提供している越境ECソリューションとしてのLive Commerceは、今年から本格的にパーソナライズされたレコメンド機能の提供が開始されます。

これから越境ECを検討されているブランド企業は、越境ECとは、海外にモノを売ることに加え、Z世代が消費の中心となることからパーソナライズされた商品を提供するということもセットで考える必要があるということです。




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