2024年8月14日水曜日

Google 口コミを2.9 から1年で 評価 4.5にあげた方法

本日、Google口コミについて書こうと思った動機があります。

今年になって、Google口コミに関する裁判がニュースになりました。


私の会社でもいくつかのWEBサービスを展開しているのですが、そのうちの1つのWEBサービスは口コミ 2.9 から始まり、1年そこそこで、現在は 4.5 まで口コミの評価を上げることに成功しました。


Google口コミで裁判沙汰にまでなっている医療機関や、ホテル・飲食業界の方の参考になればと思い、どうやって口コミの評価を上げたのか、自分なりの考えをまとめておこうと思います。


Google 口コミの影響力が強すぎて、裁判にまでなっている

特に、医療機関は売上に大きく影響しているので、死活問題のように思われます。



グーグルマップに悪評、口コミ投稿削除命じる 大阪地裁

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF031Z30T00C24A6000000/


現在、Googleクチコミ被害者の会により、弁護団が結成されています。


弁護団により、医療機関の誤った消費者の口コミや認識を削除してもらうように動きかけています。


Googleマップクチコミ被害訴訟

http://g.todasogo.jp/



飲食業界、ホテル・宿泊業界、医療・ヘルスケア業界 は特に酷い

データがあるわけではないですが、この3つの業界は特にGoogle口コミの影響を受けていると思います。


私自身も、Google口コミの影響をかなり受けています。


ドライブで知らない土地のカフェとレストランに行こうと思ったとき、Googleで口コミの評価が高い順に行きます。


先日、長野県佐久市という場所に行ったのですが、お昼のレストランを探すとなると、Googleマップに頼らざるえません。


そして、どうせなら口コミが集まっていて、評価が高いレストランに行こうと思うのは、誰も同じだと思います。


Googleマップを使って、お昼のレストランを探すとき
長野県佐久市に行ったとき、Googleマップを使って、お昼のレストランを探しました。



娘の病院に連れて行くときも、自分が地元の病院に行くときも、やはりGoogleの口コミを必ず見ます。



口コミの評価が3以下になると、消費者の70%は避ける

口コミの評価が平均3点以下になると、消費者の約70%が来店を避ける傾向があると言われています。すごい影響力です。


企業であれば、それによって売上が減少してしまうので、Googleの口コミは無視できない存在でしょう。


自分が病院を経営してて、Google口コミが 2 とか 3 以下だったら、確かに凍り付くかもしれません。



口コミは消せるか?


Googleの口コミを消す行為は、ニュースを見てわかる通り、弁護士などを介して、Googleに訴求するなど、相当な労力がかかることが分かります。

レストランのオーナーや、病院を経営している医者の方が、勤務時間中にこんなことに時間を費やすのは現実的ではないかもしれません。

Google側では、レビューの削除依頼 ができる仕組みはありますが、削除ができるのは、あくまでもGoogleが定めた禁止および制限されているコンテンツに限った内容です。

例えば、以下のような内容の場合です。

虚偽のコンテンツ
誤った情報
ハラスメント
個人情報
わいせつ、冒とく的な表現
性的描写


「あの医者の診察は、やる気もなく、ちゃんとこちらの内容を見てくれず、さっさと診断を終わらせるようで、抑圧的だった。」 

このような口コミが書かれたとしても、これはあくまでも個人の価値観ですので、削除できないことになります。

その病院の医者が一生懸命やっていたとしてしても、個人が受け取った価値観を否定することはできないので、削除は無理だと思います。

悪い口コミが発生する構造的な問題


私は過去1年間、口コミがいつ発生しているのか、見てみました。

口コミの投稿は基本的に2つです。

  1. ユーザーが自発的に投稿する
  2. こちらからユーザーに投稿を促し、投稿してもらう

多くの医療機関、レストラン、小売店は、口コミ対策は基本的に行わず、口コミは体験したユーザーが、自発的に、自然発生的に増えるものだと信じているのだと思います。

そして、悪い口コミとは、ユーザーが自発的に投稿した結果だと思われます。

そもそも論ですが、口コミを書くエネルギーがどこから発生しているかと言えば、

怒り


だと思います。

おそらく、大半の人は口コミを書く行為までいかないと思いますが、

ある一定数の人は、怒りのエネルギーが抑えられなくなって、悪評を書くという行為に及んでしまっているわけです。

「私は、こんなに酷い体験をしたの!! みんなも被害にあわないように、私の意見を聞いてよっ!!」

と言いたいのだと思います。


実際、人がどんな時に、どんな精神状態のときに、「怒り」が生じるのかは、他人事なので、誰もコントロールできませんよね。

企業が、口コミの悪評がでないように、サービスや商品の質を改善するのは、当然として、

かといって、口コミが良くなるといういことは、、、期待できないと思った方が良いです。


私がGoogle口コミを改善したのは、

ユーザーに投稿を促し、投稿してもらう


方法です。

ユーザーに投稿を促し、口コミを投稿してもらう方法とは?


なぜ、ユーザーに投稿を促進した時に良い口コミが発生するかと言えば、

自発的に書く場合のエネルギーが「怒り」であるのに対して、

受動的に書く場合のエネルギーは「特典」に変換することができるからです。

ユーザーが口コミを書くモチベーションは、特典に置換わっていますので、特典をもらうために、なるべく良い口コミを書こうという気分に(ちょっとは)期待することができますよね。


では、ユーザーに投稿を促進するためには、「そのユーザーは誰か?」を特定する、つまり個人情報を収集する必要があります。

無理を承知でここからは書きますので、IT系に弱い方は、「こんなの無理...」と思うかもしれませんが、それでも、ここまでやれば、良い結果に結びつくこともあると思って、読んでみてください。

大前提ですが、

来客した時に、顧客データを取り、顧客データベースを持っていないと、そもそも良質なレビューは生まれません。

医療機関であれば顧客カルテを元に、診察内容を電子化していると思われますので、それが顧客情報のようなものだと思います。

しかし、○月○日から3ヶ月経過した顧客の情報をリスト化できるでしょうか?

ホテル・宿泊施設も、小売店も同じです。

WEB情報で顧客情報を適切に管理できているでしょうか?


個人情報を取得して → データベース化 までは、できていたとしても、任意の日付(○月○日)から▲ヶ月経過した顧客の情報をリスト化できるでしょうか?

ここが、良質な口コミを得られるかどうかの仕組みになってきます。

個人情報の適切な管理が良質な口コミを生む構造


個人情報がデータベース化され、その個人情報を日付で区切ってアクセスできる仕組みがあると、来店から1週間後、3ケ月後、半年後、1年後、、とお客さんと不定期にこちらからアプローチすることができます。

個人情報がないと、アプローチすらできません。

個人情報とは、facebook や LINE、YouTube のフォロー数ではありません。
個人情報とは、個人が特定できるユニークな識別情報のことです。

最も簡単な識別はメールアドレスです。

一般的に、医療機関やホテルなら、予約時にメールアドレスないしは電話番号で取得しているはずです。

難しいのは、小売店です。

小売店の場合はECサイトを持っていることが前提になります。

小売店でECサイトを持っていれば、WEBで会員登録を促し、会員登録したその日に、決済代金から会員特典として割引をするなどして、個人情報の取得ができます。

個人情報の取得は、積極的にアプローチすることではなく、ユーザーが何かの行為の際に、同時にできる限りユーザーの負担なく、取得することです。

個人情報が掌握できれば、良質な口コミが生まれる可能性が高まる


来店後に、任意のユーザーに口コミを書いてもらう際に、

自発的に書く場合のエネルギーが「怒り」であるのに対して、

受動的に書く場合のエネルギーは「特典」に変換することができます。

と説明しました。

例えば、○○日までに口コミを書いていただいた方に「○○ポイントが付与!!」とか、「次回利用可能なクーポンを付与!!」とか、考えればいくらでもアイディアは出てくると思います。


なんだ、、、こんな単純なことか、、、。


そう思ったと思いますが、そうです。

しかし、このきわめて単純なことが、できません。

なぜでしょうか?

個人情報がないからでしょうか?

いえ、医療機関にしても、ホテル・宿泊施設にしても、確実に集めていますよね。

なにが、良質な口コミをあつめるのに、欠けているのでしょうか。

企業が持っている個人情報とは、あくまでも業務遂行に必要な個人情報を管理するための物であって、

口コミを促進するために設計されているわけではないから、

結局は、個人情報を管理しているとはいっても、それをリアルなビジネスとしては、有効に使えないのです。

レビュー促進ツールをつかると、余計に悪評が増える可能性がある罠


よく、Googleレビュー投稿を促進するためのツールとして、以下のようなツールがありますが、これは注意が必要です。
  • Gyro-n Review
  • Voice
  • 星カクトくん
  • クチコ
これらのツールを使うと、使い方を誤った場合は、余計に悪評が増える可能性があることを指摘しておきます。

私が口コミのレビューがまだ 2.9 の時、レビュー促進ツールを考えたことはありました。

しかし、結論からいうと、こうしたツールは私は一切使わずに、レビューを4.5 まで改善することに成功しています。

ツールを利用すると、自発的に書く場合のエネルギー「怒り」がこみ上げる可能性があります。

ツールというのは、あくまでも一定のルール(プログラム)に基づいて、ユーザーのメールアドレスや電話番号宛てにショートメールとして送信されます。

そして、ユーザーはレビューを書くか否かを判断することになります。


機械的に送信されたメールを見た時、そこに特典が付与されると記載があったとしても、

ユーザーはポジティブな口コミを書いてくれるでしょうか。


私は、機械的なメールを送れば送るほど、ユーザーは怒りの感情が沸き上がってしまうのではないかと感じています。

これは自分自身の経験から断言できます。


ある日、私は歯科で歯石除去の定期的な検診を受けました。

そのあとに、歯科から機械的なメールが届きました。

「Googleレビューを書いてみませんか?」 というものでした。

レビュー投稿促進ですよね。

これ自体は間違っていませんが、投稿促進メールは、

歯科衛生士からではなく、

あくまでもシステムが自動送信したメールでした。


ユーザー(私)が受ける感情としては、

対人間に対してではなく、何かを対応するのではなく、対システム、つまりロボットに対してです。

この時、私の感情は、相手がロボットなら、システムに対してケチをつけたいと思う

怒り

の感情が生まれていました。

あくまでも、私個人の経験なので、かなりの偏りが入っていることは否定しませんが、

システムに対してと、

人に対しての反応は、全く違いますよね。

それを言いたいわけです。

なので、

良い口コミは、人から人に対して訴求されたときに生まれる


レビュー投稿促進メール自体は、消して間違っていません。

それをシステムが送るのではなく、歯科衛生士本人が本人の言葉で送っていれば?


かなりの確率で良い口コミが投稿されると思いませんか?

皆さんは、どう思われますか?


私がGoogle口コミの評価点を改善したのは、まさにこの部分を深く考えた結果でした。

良いレビューが生まれるのは、良いサービスや良い商品を提供しているのは、当たり前の話で、

あとは構造的にそれを正しく評価してもらうためには、

どうやってユーザーの心をポジティブな方向に動かすかです。



レビューの投稿を促す際に、対象となる送信先のユーザー数が多くなれば、それだけに1日の内の時間を取られると見積もっていたので、自動化させる仕組みを開発しました。

まず、繰り返しますが、個人情報が適切に管理されたシステムがあることが前提です。

そのうえで、投稿促進メールは2種類に分けました。


医療機関、宿泊施設、レストランのオーナーの方へ

最初に申し上げておきますが、

私自身は、レビューを集める専門家ではありません。

私自身は20年の経験を持つ、ITの専門家です。
システム開発やWEBマーケティングが専門です。

私が過去1年にわたり、Google口コミ対策を講じた内容が、

もしかしたら、医療機関のGoogle口コミ改善や、宿泊施設、レストランにも応用できるのではないかと、感じています。

ITの専門家ですが、医療機関などで、想定外の口コミが投稿されて困っている先生方、私のやり方でもしかしたら改善できる可能性はあります。

1年、2年とかかりますが、レビューが数百件、数千件と積上がれば、大きな影響力を持つようになります。


もう一度繰り返しますが、重要な点は

・口コミ対策用に、顧客データベース設計する。
・任意の日付で促進メールを特典付きで送る。
・日々の担当者が自然な形でユーザーに投稿を促進してもらうようなメールを送る。

これを、日々の業務に組み込んでしまえば、どーってことありません。


血の通ったメールや、多少の誤字脱字が入ったような、人間実のあるメールから促されれば、人は動いてくれます。

例え、3.0以下のレビューであっても、5を付けてくれるユーザーはたくさんいるはずです。

私自身、ITシステムを作ることで20年経験してきましたが、

この経験が、Google口コミ対策にお役に立てるかもしれません。



ここから先の話については、ご連絡いただければ、相談させていただきます。
実際に、レビュー4.5のレビューまで改善されていった経過も説明できます。








2024年8月9日金曜日

facebook を活用したアフィリエイトマーケティングの戦略と全体設計(備忘録・社内用)

 当社では、越境EC事業者とインバウンド事業者向けにアフィリエイト広告事業を展開しているのですが、このアフィリエイト広告がどのように機能しているのか、社内向けに備忘録も含めて、このブログで書いておきます。

今回は、アフィリエイトの開拓です。

1. アフィリエイト会員の開拓

アフィリエイト広告は、日本の広告主にPRする以前に、アフィリエイト広告をしてくれるユーザーを開拓する必要があります。

リアルなビジネスでいうところの、商品の仕入れということです。

アフィリエイト事業において、アフィリエイターの開拓は商品の仕入れと同義になります。

アフィリエイターの開拓は、主にfacebook広告を使います。

広告の詳細は企業秘密な部分があるので、公にはできないのですが、facebookである市場にアクセスすることで、アフィリエイト会員を集めることができます。

アフィリエイト会員を集める時は、顧客ペルソナを設計して、その内容をアフィリエイト会員にも共有します。

2. 開拓したアフィリエイト会員のシステム登録

facebook広告 は lead で獲得した個人情報は facebook内から外部のサーバに転送したり、データ連携することが、基本的にはできません。

そこで、facebook で獲得したデータを 外部のサーバと連携するために、intergrately というWEBサービスを利用します。この外部サービスと類似するものとしては、LeadsBridge というWEBサービスもあります。

intergrately は有料です。1回のリード獲得が 1 Task となっていて、Taskの件数に応じて月額料金が $19.99~ $239 まであります。


広告主の案件で、個別にアフィリエイト開拓を依頼された場合は、どのくらいのアフィリエイト会員が欲しいのかに応じて、この費用がアドオンされますので、注意が必要です。

例えば、3ヶ月で10,000人ぐらいは欲しい、、、と言われた場合は、 Professional プランにあらかじめグレードアップしておく必要があります。


intergrately を利用してleadで獲得したデータを外部サーバに転送し、Discovery Japan Partner の システムに登録して、ユーザーに会員登録完了のメールを送信します。

facebook の lead からメールの送信まで、すべて自動化されています。

facebookからサインアップをすると、ほぼリアルタイムで会員登録完了のメールが送られ、Discovery Japan Partner にログインができるようになります。

これで、新会員はアフィリエイトプログラムを開始することができるようになりました。

3. アフィリエイト会員の活性化

アフィリエイト会員を大量に集めることはできても、会員の活性率が重要な点です。

アフィリエイト会員は、システムログイン後、GoogleやFacebookでソーシャルログインをすると、アフィリエイト会員のプロフィールに写真が掲載されるようになります。

写真が掲載されると、広告主のページにもアフィリエイト会員の情報が伝達されるので、広告主からの提携オファーが入りやすくなります。

多くのフォロワーがいる場合は、獲得できる報酬率も変わります。詳しくはこのページで解説しています。(英語)

4. アフィリエイトリンク取得の自動化

アフィリエイト会員は、初めてシステムにログインした時点で、Discovery Japan Mallのアフィリエイト連携が完了しています。

Discovery Japan Mall にアフィリエイト会員ページからアクセスすると、amazon アソシエイトと同じように、ページの上部に自分専用のアフィリエイトリンクが掲載されているので、簡単にプロモーションを始められてるようになっています。


5. アフィリエイト会員の活性化 2 

アフィリエイト会員になってから、特定の日付が経過すると、プロフィール画像のアップロードを促進するためのメールが自動送信されます。

アフィリエイトは会員登録はしても、実際にプロモーションをしてくれるのは、10%程度と言われているためです。


以上がアフィリエイト会員の開拓の流れになります。





複雑なIT技術をわかりやすく解説します サイト内検索 Elasticsearch

私、動画生成AIにはまっています。

既に5本ほど動画をして、ある程度ノウハウを掴みました。

ちょっとづつではありますが、複雑でわかりづらいIT技術を、動画にしてわかりやすく解説をしました。

最新の動画は、Elasticseachに関する解説動画です。

ぜひ、ご覧ください。




2024年7月25日木曜日

傲慢が衰退の最初のステップ

先日、衰退に関する本を読みました。

日本って今、人口減少 → 生産年齢人口減少 → 衰退国家 という道を歩み始めていますよね。

円安も国力の衰退だし、一億層貧困に向かっている。

AIなどの新興産業は成長していますが、それ以外ってたぶん現状維持か衰退のどちらかですよね。地方自治体も限界集落がたくさん出始めていて、自治機能の維持すら困難になっている。

衰退があらゆるところで起こり始めているのだと思います。

そこで、

ビジョナリーカンパニー: 衰退の五段階 って本を読んでみました。

会社や国が衰退するときの一番最初のステップが傲慢だそうです。

そりゃそうだ。傲慢な態度な人は誰もついていかないし、人も客も離れるわな。

その後は、こんな感じで衰退していくそうです。

▼規律なき拡大路線(第二段階)

・成長に固執し、無理な目標を追求するか、関連しない分野へ進出するか、その両方を行う。


▼リスクと問題の否認(第三段階)

・良いデータを強調し、悪いデータを小さく見せる。ときには悪いデータを無視する。

・後退の原因として外部要因を指摘し、組織の再編を繰り返すようになる。


▼一発逆転の追求(第四段階)

・救世主のような指導者、新戦略、新事業へ期待するようになり、組織に一貫性がなくなる。

・計画が失敗するたびに資金が流出し、財務力が低下しはじめる。リストラを繰り返すようになる。


日本という国家を人としてみなしたとき、日本は90年台前半にバブル経済のピークで世界を席巻して、その時の成功体験が令和の今もひきづっていて、それが傲慢さを生んだのかも。


自戒の意味も込めて、初心忘れるべからず。常に初々しさも。

2024年3月6日水曜日

2024年版 越境ECモールの出店の募集を再開します

越境ECモール Discovery Japan Mall への出店

 

2016年に立ち上げたDiscovery Japan Mallへの出店を一時期とりやめておりましたが、海外物流など一通りシステムが安定してきましたので、越境ECに挑戦したい企業様の出店申し込みの再開をします。

出店内容を大幅に変更しましたので、このブログではポイントを絞って説明します。

越境ECモール Discovery Japan Mallの詳細はこちら

Discovery Japan Mallはamazonの出店と同じく、フルフィルメント型のみ出店可能という形に変更をさせていただきました。

特徴は3つあります。

1、商品登録が不要

まず、最大の特徴はamazon、楽天、Yahooショッピングのいずれかに出店しているショップ様が対象という制限をさせていただいております。その代わりに、商品登録をしなくてよいということです。

商品登録はDiscovery Japan Mall側ですべて行います。
当社が商品登録を行うことにより、海外の消費者が買いやすい商品名に修正を行ったり、広告を行う際にあらかじめ非承認となってしまいそうな商品画像を除外することができるなど、当社が一定のフィルターをかけることで、より越境ECでの売上があがるという経験値に基づき、このような方向性にしました。

英語への翻訳や在庫更新などもすでに出店されているモールの最新情報を元に行いますので、出店にあたり商品登録という手間が完全になくなります。

在庫の更新も同様で、amazon、楽天、Yahooショッピング側で在庫なしとなれば、Discovery Japan Mall側でも在庫が引き当てられるようになっております。(リアルタイムではありませんが、在庫切れによる失注がないように対策しております)

2、海外出荷が不要

出店社様側で海外配送を行う必要はございません。
注文が発生した場合は、当社指定のDiscovery Japan Mall指定の物流倉庫に送って業務は完了となります。指定倉庫までの国内配送料は出店社様側でご負担をいただくことになります。

当社が海外配送を行うことにより、通関時に必要な書類を求められたり、お客様と連絡が取れないなど、海外発送に係るすべてのサポートを当社が行います。

海外配送は1件あたり550円となっております。

3、カスタマー対応が不要

ネット通販サイトではカスタマーサポートが必要となりますが、この業務も出店社様は行う必要はございません。

商品個別に関する質問については出店社様へエスカレーションすることにはなりますが、それ以外のお買い物や配送状況に関するすべてのお問い合わせは当社にて対応させていただきます。

出店費用

amzonの出店と同じく、小口出品(月額5,500円、手数料18%)と大口出品(月額11,000円、手数料15%)の2種類があります。月商30万円を超える場合は、大口出品の方が最終的な手数料は安くなります。

最低契約期間は6ヶ月で、その後は6ヶ月単位での出店契約更新となります。

出店条件

出店条件として、以下の内容をクリアしている必要があります。


  1. amazon, Yahooショッピング, 楽天のいずれかのモールですでに販売されている商品であること。
    当社では商品登録の際に、これらのモールに掲載されている商品を参照します。モールに掲載されていない商品を出品される場合は営業担当までお問い合わせください。
  2. 輸出禁制品に該当していないこと。
  3. JANコードが割り当てられている商品であること。
  4. 受注後、48時間以内に当社指定倉庫に出荷できる体制を保持していること。

売れる商品ジャンル

eBayジャパンが公開しているセラーポータルにある、月間取引内容を参照していただきますと、売れる商材、月間の取扱高を確認することができます。

または、Google各国の検索結果を下記のページより確認することができます。

ブランド出店について

ブランド企業様については、Discovery Japan Mallの出店と合わせて、顧客との強力な関係構築が可能になる独自のブランドストアの提案をさせていただいております。


2024年1月19日金曜日

外国人アフィリエイト会員が2万人を突破! セミナー開催決定!

2023年7月より開始したアフィリエイト広告事業「Discovery Japan Partner」の外国人アフィリエイト会員が2024年1月時点で2万人を突破しました。

アフィリエイト広告とは、一般的に成果報酬型広告を意味します。

通常の広告は、成果にかかわらず所定の場所に広告を設置しただけで広告費が発生します。アフィリエイト広告の場合は、広告を掲載するだけでは費用は発生しません。広告をクリックして本当に商品やサービスを購入(または会員登録などのアクション)したときのみ、その購入額に応じて広告費が発生します。

これは、広告主側から見ると1件あたりの広告費が可視化されるために非常に費用対効果が良い広告と言えます。ただし、広告を掲載するアフィリエイト会員によっては、自社のブランドイメージを損なわれるような広告の掲載をされるリスクもあるため、アフィリエイト会員との提携には慎重になるなどの懸念点もあります。

Discovery Japan Partner の特徴は、越境ECやインバウンド事業と相性がよい

Discovery Japan partnerのアフィリエイト会員は、すべて外国人に特化していることが最大の特徴です。中には日本人も含まれますが、会員の皆さんは英語や母国語で情報発信しているため、日本語によるサービスではありません。

したがって、越境ECサイトを運営されている企業様、インバウンド事業(ホテルや公共サービス等)をされている企業様との相性がよい広告となります。

外国人アフィリエイト会員、成果は期待できる?

当社が集めた初動約10,000人の会員の内、自社運営する Discovery Japan Mall の販促を行った結果、約5名のアフィリエイト会員が売上約17万円に貢献する販促を行ってくれました。

集めたアフィリエイト会員に対する成功確率は0.05%と極めて低い結果となりましたが、毎日300名~500名の新規会員登録があるため、順調に10万人、100万人と会員を拡大していくことで、アフィリエイト広告経由での売上は必ず拡大していくと考えています。

アフィリエイト会員の属性

2024年1月時点での会員属性ですが、以下の通りです。

【国別で多い国】
  • インド 7,000名
  • フィリピン 5,100名
  • インドネシア 5,000名
  • アメリカ 413名
  • イギリス 73名
  • 日本 864名
  • カナダ 21名
【登録ソーシャルメディア】
  • facebook 6,800件
  • Instagram 12,000件
  • tikTok 1,400件
  • YouTube 390件
  • WEB/Blog 1,200件

フィリピンとインドは、自国向けに販促をするというよりは、欧米からのITシステム開発の受託先という国家としてのIT戦略背景もあるため、アフィリエイト会員は欧米向けに対してコンテンツを発信している人が多いという特徴があります。また欧米向けのコンテンツ制作しかしたことがない人の割合がかなり多く(自国向けだと買う人が少ないため)、英語での発信をしてもらうだけでも、全体的にソーシャルメディア上でのリンクも増え、世界中にコンテンツをまずは発信できます。その発信をみて、さらにSNSで話題になることもあります。

0.05%のアフィリエイト会員になると、プロ動画のレベル

アフィリエイト会員の中でもTOP 0.05%のクラスになると、販促コンテンツのレベルが格段に高くなり、YouTubeの動画だけでもプロ並みの動画に仕上げており、その1つの動画が数年にわたり継続的に再生され、商品が売れていくという傾向があります。

プロレベルの動画クリエイターもアフィリエイト会員として登録しているため、彼らとのコラボレーションを行う際は、

・試供品を無償提供する
・動画制作についてのコンテンツ戦略を伝える
・1回のみではなく、3-4回継続して行ってもらう

などの戦略をとることにより、1つの動画から数百万円もの売り上げを作り出すことなどが可能になった事例もあります。

アフィリエイト会員とのコラボレーションを希望の場合は、弊社営業担当者までお問い合わせいただくことで、ベストな提案をさせていただくことができます。

アフィリエイト広告セミナー

2024年2月6日 13時より、オンラインでのアフィリエイト広告セミナーを開催します。
越境ECやインバウンド集客でお困りの方、ぜひご参加ください!!




2024年1月4日木曜日

マクドナルド理論で開発する海外物流システム

物流のシステムを開発することは、マクドナルドを作るようなものだと私は考えています。マクドナルドの歴史を知らない方のために、少し説明しましょう。

現在のマクドナルドの繁栄を知ることは、すべてのビジネスパーソンにとって非常によいビジネスの教材です。マクドナルドは日本全国どこで食べても同じ味です。同じ味にするためには、同じ素材を同じ手順で行う必要があります。一見、当たり前のことですが、この当たり前が企業内のオペレーションに上手く機能していない場合、同じ味(サービス・品質)にはならず、それが原因で本来やらなくても良い無駄な仕事が増えたり、経費が増えたります。マクドナルド兄弟が創業したときは同じ味になっていませんでした。

同じ味にするというのは、100人が100通りのやり方でやるのではなく、100人がすべて同じやり方で作業をするという意味です。100人がすべて同じやり方をするためには、行動制限を行うために発明が必要です。これはある結果を導くために、会社が定めた手順を確実に行うということです。

起業家であるレイクロックは発明をマクドナルド兄弟に提案することからストーリーは始まります。マックシェークをレイクロックが発明した工作機を用いることで短時間に同じ味のものを複数作れるようにしたのです。この発明があらゆるオペレーションに浸透していくと、マクドナルド事業を複製可能なビジネスモデルに進化し、フランチャイズになり、現在の姿のマクドナルドへと発展します。このマクドナルドの歴史を知るのに手っ取り早い映画がファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツです。

私が今取り組んでいる海外物流システムの開発は、まさにマクドナルド理論で実践しています。
物流事業をマクドナルド理論で解釈すると、どんな貨物が入庫しても、同じ味(同じ業務品質)となり、トラブルなく出庫されると言う意味です。

さて、当社が2022年から開始した海外物流事業における同じ味とは、具体的に何かを考えてみたいと思います。

まず、国内物流と決定的に違うのは、全国一律**円というサービスは存在しないということです。amazon をはじめ zozotown やヨドバシなど日本の主要なECサイトは、注文金額が一定額を超えるとサイズに関わらず送料無料になっています。

海外物流では、1個送るだけでも最低2,000円程度はかかります。国内の数百円とは訳が違うのです。

1個2,000円の送料もあれば、サイズによっては1個で20,000円のものまであるため、送料無料で受けるというのは基本的にはありえません。


この商品の梱包サイズは 47 x 32 x 31 、3Kgでamazonでは送料無料となっています。送料を取ったとしても数百円で送れるレベルです。

海外向けにこの商品を送る場合、47 x 32 x 31 / 5000 = 9.44 ... となり、10Kg換算の重量帯として送料は計算されます。これは海外貨物の重量測定時の計算式である容積重量という考え方が元になるのですが、3Kgの貨物だと思っても実際の重量は10Kgとして請求されます。

そのため、正しい送料を見積もるには梱包された最終出荷状態で3辺と重量を計測する必要があります。

日本国内のECサイトではそもそもこのようなことを行う必要性はありません。ある一定金額を超えたら送料無料なのでほとんどの商品データベースに3辺の情報や容積重量のデータを登録しているというのはまずないでしょう。

しかし、越境ECサイトで正しい送料を計測するとなると3辺のデータか容積重量の正しいデータを把握している必要があるため、ここが海外物流システムを開発するときの課題になるのです。

なぜ、3辺のデータか容積重量の正しいデータを把握している必要があるのか?

軽くて容積の大きいものをイメージしてみてください。


これは、釣りで利用するベストですが、重量は1Kg しかありませんが、海外に送るときは11Kg です。もし商品登録が1Kgでアメリカまでなら約2400円〜程度ですが、11Kgとなると6,000円を超えてしまいます。

海外物流を行うと、こうした事実を知っていながらも、やはり人間が行う商品登録データにはミスが必ずでます。こうした重量ミスが重なると、高額な海外送料が請求され利益を圧迫してしまう原因となります。

しかし、すべての商品の3辺を正確に登録することは、基本的に人間が行うことなので不可能でしょう。(もちろん、費用をかけて正確に行うことはできなくはありませんが、商品登録にそもそもそこまで費用をかける企業はありません)となると、ある程度大雑把に登録するしかありません。

であるということを前提とした場合、ここからマクドナルド理論によって、ビジネスを完全に同じ味付けをして、だれがやっても送料エラーにならない仕組みというのが、ビジネスの発明になってきます。

入庫検品 → 正確な重量をアップデートする仕組み

上記に述した通り、正確な(容積)重量というのは、最終梱包状態にならないと計測ができません。そして、人間が行う商品登録データ登録というのは正確ではないというのが前提の上で、どうやってこれをマクドナルド理論に落とし込むかです。

私が考えた仕組みは以下の通りです。
  1. 商品をスキャンし、出荷貨物の①注文番号と、②3辺サイズと③重量をを計測する。
  2. ①と②と③を私が開発した物流クラウドに登録する。
  3. DHL、FedEx、EMSの最新送料(燃油サーチャージ込み)が自動計算される。
  4. 商品登録した重量よりも計測した(容積)重量が大きい場合(送料が足らない)、システムによりアラートが出力され、担当者はその場で商品の重量を更新することができる。
これにより、物流システムとECが連動される仕組みです。物流担当者が商品のデータベースを瞬時に、しかも簡単に更新することができるため、貨物量が多くなるほど商品データベースの正確性がアップします。

ここでポイントとなるのが、物流側の従業員がECサイトの商品データベースを進化させているという点です。

ECと物流が別々に、全く異なる考え方で機能していた場合、物流の工程で何か課題があっても、それを報告し、実際に改善まで漕ぎ着けるとなるとかなりの時間を説明を要したりします。余計なミーティングが入ったりするかもです。

当社は、物流人材が越境ECサイトの商品データベースを最小の手間で、しかも簡単に更新できる仕組みを備えているため、2度と同じような送料エラーが起こらない仕組みを、物流側とEC側が協力してできる体制を作りました。

貨物に応じて品質検査を行う仕組み

越境ECでは、日本ではあまりないような高額注文($2,000を超える)が普通に入ってきます。$2,000を超える場合、通関に時間がかかったり、また高額商品を送る場合は(関税支払い拒否による)受取拒否などのリスクを勘案し、リスク対策を事前に行っておく必要があります。

そこで、私が考えた品質基準は以下の通りです。
どんな貨物であっても、Checkの1から10を実施するということです。

Check 1インボイス印刷インボイスを印刷し、PakまたはYour Pack、サイズを記録する
Check 2注文価格商品価格総額が$500以下 → Pack , 以上 → Box
Check 3重量重量が2.5Kg 以上 → Box
Check 4サイズ3辺L x W x H = 15400 以下 → Pack 以上 → Box
Check 5リチウムイオン電池リチウムイオン電池含む → UN3481を貼る
Check 6高額商材
商品価格が$2,000 超 → 貨物を2以上に分割・追跡番号も別、貨物あたりのコストを$1000以下に抑える
Check 7署名リクエスト商品価格が$700超 → 成人署名追加
Check 8送料比較
商品重量と実測重量のチェック、顧客支払い送料との比較、赤字送料受注の場合は商品重量訂正指示
Check 9HS コード正確なHSコードの存在有無
Check 10商品インボイスに記載の商品の正確性を確認する(型番、サイズ、状態)

これを担当者が貨物毎に検品するのはとても大変です。それこそ、同じ味になりません。
私が考えた仕組みは以下の通りです。

  1. 商品をスキャンし、出荷貨物の①注文番号と、②3辺サイズと③重量をを計測する。
  2. ①と②と③を私が開発した物流クラウドに登録する。
  3. DHL、FedEx、EMSの最新送料(燃油サーチャージ込み)が自動計算される。
  4. 商品登録した重量よりも計測した(容積)重量が大きい場合(送料が足らない)、システムによりアラートが出力され、担当者はその場で商品の重量を更新することができる。
  5. 次画面にてCheck1〜10が実行され、必要に応じてアラートが出力されるという仕組みです。


こちらの画面のように、Check1から10が実行され、どんな貨物がきてもマクドナルド理論によってあらゆるリスクが排除され、同じ味付けの出荷品質になります。

この画面、すべて英語で設計し開発しました。これは、人口減少社会を背景にしています。いずれ、日本人の雇用が難しくなった時に、日本在留の外国人を雇用し、彼らがこのシステムを利用することを前提にしたからです。したがって、当社の物流システムはすべて英語の画面で、現在の日本のスタッフも英語の画面のまま使ってもらています。

上記の画面には、さらに送料利益というものまで表示させています。
顧客が払った送料と、計測後送料の差異を計算し利益を確定させています。物流で業務に従事する方がにもコスト意識を持ってもらうためには、とても重要な指標だと思っています。

あとは、実際に手を動かす梱包作業となりますが、これはまた別の機会に説明したいと思います。