過去を振り返ってみると、起業してから現在に至るまで、基本的にはクライアントからの依頼を受けてシステムを開発するという受け身の立場だった。Live Commerceを開発したのも、ある意味でクライアント単位でバラバラになっていたECサイトの機能を平準化して、結果としてASPとして提供したものに過ぎない(かもしれない)。
そして、Live Commerceを2008年にリリース以来の新しいサービスをリリースした。
Live Commerceの利用者を対象にした越境ECモールDiscovery Japan だ。
この事業は楽天やZOZO TOWNと全く同じショッピングモール事業である。
自社では在庫を持たず、モールで売れた時に出店者にドロップシッピングで商品を直送してもらう仕組みだ。当社としてはモールへの集客性が新規出店者にとっての判断材料になる。
正直、モール事業を行うことにためらいがあった。
モール事業は見方によっては、クライアントが行っている小売事業とおもいっきりかぶる。Google AdWordsでリスティング広告をしたり、メルマガを発行したり、、モールへ集客させるためには、クライアントがやっている仕事を私たちもモール事業者である以上はやらなければならない。
今までは、システムインテグレーターとしての役割が強く、システムを提供して、ある意味でそこで我々のビジネスとしての役割は終わりだった。もちろん、必要があれば支援はしてきた。例えば、システムを上手に活用するためのコンサルティングやアクセス解析といったテクニック的な事でクライアントに部分的に携わることはあっても、オンラインビジネスそのものを実行まですることまでは、過去にそれほど事例はない。
しかし、モール事業を今後推進していくにあたっては、越境ECという「日本→世界」というショッピングチャンネルを独自に開拓していく必要がある。
今までのシステムインテグレーター的な立ち位置とは別に、東南アジアや中国、アメリカで有名大手ショッピングモールに行く消費者のなかでも、特に日本に興味関心の強いユーザーにプッシュしていく必要がある。まさに当社は海の外にいる潜在ユーザーに対して、日本という高品質で世界でも高級品を扱う日本商品をプロモーションし、顧客を創造していく立場になった。
現存するショッピングモールでは売っていない日本独自で特に職人が作った在庫限定商品を集め、モールとしての付加価値を付け、マーケットでの日本商品が唯一あるポジションシートを確保することが大きな戦略となるだろう。
越境EC Discovery JapanはハイブリッドEコマースである
現在、日本のEコマースプラットフォームは、
- モールに出店(Amazonや楽天、Yahooショッピング)
- 独自ドメインで自社サイト
である。多くの企業はどちらか片方ではなく、モールと自社サイトの両方を立ち上げている。
モールはモールで独自にサイトを作り、自社サイトは当社のようなASPを使うケースもあれば、パッケージソフトを購入して自社サーバにインストールして運用するなど、自社サイトの立上げは自由度が高い。
件名にもある、ハイブリッドEコマースとは、私が勝手に作った造語であるが、車でいうプリウスに代表されるガソリンと電気によるハイブリッドエンジンと同じ意味である。
越境ECモール Discovery Japan へは独自ドメインで自社サイトが作れる「Live Commerce」を使う。Live Commerceに登録した商品がそのままDiscovery Japanへ掲載することができるので、モールと自社サイトの両方を同時並行して立ち上げが可能である。
ハイブリッドだから何だ? と思われてしまうかもしれないが、1つの労力で2つのEコマースプラットフォームに同時に出品できるのはありがたいと思う。
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